みなさん，こんにちは。えいごりらです。
今日は北海道の旭川市にある富沢小学校にやってきました。

旭川駅から車でおよそ15分。豊かな山や川，田んぼなどの自然に囲まれた，開校119年の歴史のある小学校です。

全校児童はなんと36名！　3・4年生と5・6年生は複式学級です。

富沢小学校は旭川市特認校として，市内各地から児童を受け入れています。近隣から通っているのはわずか3名で，ほとんどの児童は保護者の送り迎えで通学しているのだとか。豊かな自然体験を軸とした特色ある教育活動が充実しているほか，1年生から外国語活動を行うなど，独自のカリキュラムで授業を行っています。

そんな富沢小学校で英語の授業を引っ張っているのは，3・4年学級の担任，豊岡玲子先生。担任を持ちながら，専科として3・4年生と5・6年生の英語を指導しています。

英語とスイーツが大好きで，なんと世界中に友達がいるそうです。家族として交流が続いている人もいて，インターナショナルな今の生活をこよなく愛しているのだとか。

「英語は私の人生です。No English，No life！！！」
だから子供たちに世界のことを伝えて，英語が大好きになってほしいと考えています。

「好きこそものの上手なれ，好きであれば必ず続くと思います。」
英語を通して，人との出会い，世界を知る力を付けてもらいたいのだそうです。

11月には豊岡先生の友人の繋がりによって，オーストラリアで日本語を学んでいる小学生とスカイプを使った交流学習を実現しました。

自分たちの英語が外国の小学生に伝わる実感を得て，満足感でいっぱいの児童の笑顔が印象的だったとのこと。3学期にも再チャレンジする予定です。

さて，今日授業を見せていただくのは3・4年生の複式学級，通称「ブレイブ学級」です。その名の通り，明るく元気で物怖じしない児童が多く，授業中に自分の意見を堂々と伝え合えるような良好な関係ができているのだとか。また，日常的に英語を使いたがる児童が多いそうです。

4年生の仲間たちと一緒に写真をとってもらいました。

授業は1コマ60分で行います。旭川市の「パワー60」という取り組みで，毎週火曜日と金曜日に朝自習の時間と1校時の時間を組み合わせ，60分授業を行っています。

授業は豊岡先生を中心に，管理職と保護者ボランティア，時には地域の学生が加わって考えているとのこと。たくさんの関係者が，児童同様にトライアンドエラーでかかわっています。

授業がはじまると，まずは3・4年生が一緒にウォームアップをします。

T2の保護者が黒板に形を書き，児童が「Circle!」「Star!」などと英語で答えています。

続いて，T2の保護者や校長の玉井一行先生も加わって，ミッシングゲームを行います。まずは表現の確認から。

次に，先生が「色」「数字」「アルファベット」のカードを複数枚持ち，まずは全てのカードの発音を確認します。

次に，指導者は児童に見えないように1枚のカードを隠します。児童は残りのカードを見て，隠されたカードを予測し，発音します。

こうやって小文字もしっかりと覚えていくのですね。隠されたカードが何かを当てた数だけ「ブレイブポイント」を獲得でき，児童は獲得ポイントを競いました。

ウォームアップが終わったら3年生と4年生に分かれて，別々の教室で授業を続けます。3年生は玉井校長先生が担当します。今日は『Let's Try! 1』Unit 8 What's this?にチャレンジ！

デジタル教材の画面の写真に何が隠れているかを当てるクイズです。児童は「鳥の巣！」，「ふくろう？」などと，積極的に発言します。それに対して，校長先生が「Yes, it's a nest!」などと答えることで，児童は英語での言い方に触れていきます。

デジタル教材を使って画像を拡大すると，より詳しく写真が表示されます。虫に詳しい児童が前に出てきて「これはガの羽。なぜなら・・・」と，熱く説明しています。興味があることと関連させることで，ますます英語を学びたくなるのですね。他の児童も楽しそうに聞いていました。

一方，4年生は豊岡先生が担当し，『Let's Try! 2』Unit7 What do you want?を扱います。『Let's Try! 2』pp.26-27に描かれている外国の市場のイラストを使って，野菜や果物の名前を確認していきます。

まずは簡単なやりとりから。「How many melons?」などと先生が尋ねると，児童は「five!」などと言って答えます。このようなやりとりを通して，既に習った英語を繰り返し使っていくのですね。

続いて，誌面を使ってポインティングゲームを行います。

児童が指導者に「What do you want?」と尋ねると，指導者が「I want onions.」などと答えます。指導者がほしい野菜や果物を聞いて，児童は誌面のイラストを指さします。

最後に，読む活動を行いました。先生が黒板に単語を書き，児童が発音します。

まだ慣れないアルファベットですが，児童はやる気満々です。先生が文字を書いている途中なのに，次々と手が挙がります。とにかく何か発言したくて仕方がない，そんな様子が印象的でした。

今日の授業はこれでおしまい。Good job！

玉井校長先生によると，児童は新しいものや初めて出会うものへの興味が高く，「聞きたい」よりも「伝えたい」思いが強いそうです。

児童は体験学習に来る外国人やALTとも積極的に関わって，親しくなろうとしているのだとか。英語を学習するというよりも，遊びの延長のようなイメージで楽しんでいるそうです。その結果，英語が自分たちのツールとして身に付いていっており，校長先生としてもよい印象を持っていると語ってくださいました。

今回のレポートはこれでおしまい。
次回もお楽しみに！

（取材日：2018年12月18日）