みなさん、こんにちは。えいごりらです。
待ちに待った秋！　いかがお過ごしでしょうか。
ぼくは、大阪・関西万博の海外パビリオンを満喫しました！

さて、今日は兵庫県神戸市にやってきました。
今回取材させていただくのは、神戸市立中央小学校です。今回もえいごりこが一緒だよ。

神戸市立中央小学校の全校児童数は、589名です。平成9年4月に4つの歴史ある学校（吾妻小学校、小野柄小学校、若菜小学校、二宮小学校）が統合され開校しました。校区は新神戸、三宮から神戸港までと、とても広いです。

そんな4つの地域の人々の思いを形にしたという校舎。
グラウンドは海、校舎やアリーナは船をモチーフに「未来に進む船」を表現しているそうです。船のクルーは先生と子どもたち……、とっても素敵だね！

校門をくぐり校舎へ入ると、広々としたエントランス！　とても伸びやかな気持ちになります。
そして、ひときわ目立つ柱に「ENGLISH CORNER “SUMMER”」の立て看板。
“What did you do in summer?”という問いかけに、子どもたちが楽しそうに書き込んでいるよ！

その下には、とてもかわいいcold drinks and dessertsの写真。
フィリピンの名物を紹介していたよ。フィリピンはALTのマーヴィン（Laguerrta Marvin）先生の母国なんだそう。ランキングも楽しいね！
「Here are the results of last month’s English Corner survey on the cold drinks and desserts from the Philippines that Chuo Elementary School students would like to try.」

「1位　Iskrambol （イスクランボル）、2位　Halo-Halo（ハロハロ）、3位　Buko Pandan（ブコ　パンダン）」どれもきれいでおいしそう！

透き通るきれいな水槽にも、子どもたちが集まっています。
そこにも、
“Hello! We are Goldfish. Please be good to us.”
“Hello! We are Kawamutsu! Please be good to us.”
“Hello! We are Goby! Please be good to us.”
と、英語がたくさん！
かわいいお魚を眺めながら、自己紹介で使える表現をいつの間にか覚えられそうだね。

実は、水槽をきれいに掃除したり、水槽に英語を添えて楽しく演出したりしてくれているのは、マーヴィン先生なんだって！　How wonderful !
いったい、どんな先生なのだろう。わくわく……。

今日は、5年生の授業を見学します。単元は『NEW HORIZON Elementary 5』Unit 6、“At a restaurant.”の5時間目です。
3週間後に学校で開催される “K.I.C.P.(Kobe International Caravan Program)” に向けて、「ALTに伝えたいこと」を柱に単元の順番を入れ替えているんだそうです。
授業をしてくださるのは、笑顔がとっても素敵な眞鍋奈美（まなべ　なみ）先生です！
眞鍋先生は、5年生と6年生の全クラスを指導しているよ。
どの英語の授業も、ALTのマーヴィン先生と一緒に授業を進めているよ。

教室には、子どもたちが対話や学びを深めやすい工夫や仕掛けがたくさん！
まず、机の配置。
コの字型でみんなが向かい合っていて、コミュニケーションを取りやすそう。

次に、板書。
黒板右側には単元のゴールや伝えたいことのポイント、左側には45分間の授業の流れ。
授業が始まる前の5分間の休み時間に眞鍋先生とマーヴィン先生があっという間に仕上げてしまったよ！

眞鍋先生のこだわりがビンビン伝わってきます。

いよいよ授業スタート！
授業の導入では、全員起立して、マーヴィン先生との Small Talk タイム。
“How are you?” “What's the date today?” “What day is it today?” “How's the weather?” “When is your birthday?” “What is your favorite restaurant?” “What is your favorite food?” “What subject do you like?” “What color do you like?”
既習表現を振り返りながら、クラスのみんなとやりとりをしていたよ。
答えたら、眞鍋先生の “Take your seat.” で着席です。

次は、『NEW HORIZON Elementary 5』 p.65の “Let’s listen 2”。
眞鍋先生とマーヴィン先生のやりとりを「生で」聞いて、子どもたちが考えるんだ。

やりとりの後、“One more?” と眞鍋先生が子どもたちに尋ねると “No more!” “One more!” と、元気な声が返ってきます。教科書に掲載されているQ＆Aだけれど、眞鍋先生とマーヴィン先生が目の前でやりとりしていると、一気に身近に感じられるね！

スクリプトは、聞き取りやすい“How much is it?” に言い換えたり、“an orange flower” は “yellow～” で言い換えたり、“3 apples, please.” は既習表現を使って “I want 3 apples.” にアレンジされたりしていました。

ここからいよいよ言語活動「so ぐるなび」へ。
“so”は 学年目標なんだそうです。子どもたちの伝えたい思いが活動のタイトルにも表れているね！

まずは、前時の振り返りから。

「お勧めしたい理由を言えるようになった」「次は、店の雰囲気を言えるようになりたい」「お店の料理の中で一番好きな料理を言えるようになった」「料理の中に何が入っているのか言えるようになりたい」と、スライドを使って前時の振り返りを紹介しながら、今日のめあてを作るヒントを共有していたよ。

「言いたい、伝えたいけれど困ったことはない？」
「『〜が入っている』は “～in it”だったね！」
「“I like is salmon.”の“is”はいらないね」
「一番好きな食べ物を伝えたいときは、“My favorite food is～”だったね」など、子どもたちとやりとりしながら、使いたい語彙や表現を振り返っていたね。

「では、『今日のめあて』を書きましょう」と眞鍋先生。
子どもたちはタブレットで「学習シート」を開き、それぞれ自分だけの「めあて」を考えます。めあてを考えながら「スピーチメモ（マッピング）」を調整する人もいるね。

机間巡視していた眞鍋先生は、ある児童にそっと近づいて、手に持った「バインダー」を見ながら話しかけていたよ。
授業の後で「あの時のバインダーは何ですか？」と尋ねると、「前時の最後に児童が録画した動画を見て、気になったことをメモしているんです。学習シート上でフィードバックすることも試しましたが、直接伝えるのが一番です」とのこと。

「学習シート」は、子どもたちにとって学びの道しるべであり、振り返りツールです。
授業の初めに「めあて」を書き込み、授業の最後には「できるようになったこと」を記入したり、パフォーマンス動画を撮影して貼り付けるんだって。
眞鍋先生はこれらをチェックして、「前時の振り返り」や「めあてを作る」時間でフィードバックしていました！
一人ひとりの状況や課題を把握して、個別最適な指導を「生」で実現しているんだね！
参考資料：PDFダウンロード

マーヴィン先生も、困っている児童に寄り添います。
めあてを作ったり、スピーチメモを考えていたりしていると疑問が湧いてくるよね。
となりの席の人と肩を寄せて、一緒に深め合っている教室が本当に素敵です！

めあてを書いたら、2分の「コミュニケーションタイム①」です。
ペアになって、自分がどれくらい伝えられるかチャレンジするよ。

「困ったこと、あった？」という眞鍋先生の問いかけに、
「『冷たい』は何というの？　coldは『寒い』じゃないの？」「食べ放題」「サクサクしてる」「一皿」「トマトの甘味がおいしい」「タレがうまい」「シメに……は」など、『伝えたいけどわからない』の声。
先生たちは、子どもたちがどんなところで困り感を抱いているのかを把握し、クラスで一緒に解決できるよう働きかけます。

さらに眞鍋先生は、エラーケースも提示していたよ。
「I like–.
　It’s 〇〇 yen.
　I like–
　It’s 〇〇 yen.
　I like– .」
眞鍋先生がマーヴィン先生に「これで魅力が伝わった？　何が知りたい？」と尋ねると、「味や中に何が入っているかを知りたい」との答え。
また、
「I like –.
　Because it’s yummy
　I like –.
　Because it’s yummy
　I like –.
　Because --.」というケースには、「yummyだけじゃなくて、食感や何が入っているかなどを足してみよう」とアドバイスしていたよ！

そして、それらを踏まえての3分の「レベルアップタイム」。
眞鍋先生が、「マーヴィン先生のお手本動画を見てもいい。学習者用デジタル教科書を見てもいい。友達に聞いてもいいし、先生に聞いてもいいよ」と、自己調整の方法を具体的に提示しているので、安心して取り組めるね！
スピーチメモを工夫したり、デジタル教科書を見ながら、数字の発音を確認している人もいたね！

それからもう一度、お友達に伝わるかを試す「コミュニケーションタイム②」（5分）です。
眞鍋先生やマーヴィン先生も机間巡視しながらサポートするよ！
今日は、ほかのALTの先生方もいらしていて、授業を撮影していたよ。「動画を市内のALTのみなさんでシェアして勉強する」んだそうです。

コミュニケーションタイム②のあと、二人のお友達がスピーチをシェアしてくれたよ。
“My favorite food is a hamburg steak with vegetable sauce.

It’s juicy and yummy.
It’s cheap.
Saizeriya has a matching game.（まちがいさがし）
It’s very fun.”

眞鍋先生の「お店のいいところまで伝えてくれたね！」の言葉で、クラスのみんなはお友達のアイデアにハッとした様子でした。

いよいよ授業もおしまい。
「今日できるようになったことを動画で残しておこう！　学習シートは書けたら提出箱に送ってね」（5分）
それぞれ自分だけの「めあて」を振り返りながら、できるようになったスピーチを動画で撮影します。ジェスチャーも交えながら、一生懸命伝えようとする姿が素敵！

最後は、マーヴィン先生によるフィードバックです。
マーヴィン先生は、黒板に掲示している「おすすめのメニューを調べる・伝える」「その食べ物屋の魅力を伝える」などを指さしながら、子どもたちに聞き取りやすい英語で伝えていたよ。

「１、メニューをおすすめする理由は、2つ言えるともっとよくなるね！
　２、“Because”を使って言えたね！
　３、favoriteの発音を確認しよう！」

あっという間の45分でした！
「so ぐるなび」～。

今回のレポートはこれでおしまい。
神戸市立中央小学校のみなさん、ありがとうございました。
次回もお楽しみに～！

（取材：えいごりら・えいごりこ）
（取材日：2025年9月18日）