みなさんこんにちは。えいごりらです！
なんだか最近、急に寒くなってきましたね。ちなみに衣替えは済みましたか？
（まあ、ぼくは一年中同じ服装だけどね！）

今日は、石川県金沢市にやってきました。ここは北陸の一大観光地！
北陸新幹線が開通してからは、ますますたくさんの人が国内外から訪れています。
兼六園や金沢城、ひがし茶屋街などが有名な、まさに文化の街です。
休日には、街のあちこちにテントやステージが設置されて、イベントが開催されることもあるんだって！

今回取材させていただくのは、金沢市立西南部中学校です。

あれ？　職員室の前に相撲の番付があるぞ！？

石川県出身の力士、輝（かがやき）、炎鵬（えんほう）、遠藤（えんどう）の3人は、みんな西南部中学校出身なんだって！

名前入りのタオルも飾ってあって、先輩たちを応援するみんなの気持ちが伝わってくるよね。
狙え、金星！！

そして体育館に向かう途中の廊下には、ALTの先生お手製の掲示板を見つけました！
わあ、ハロウィン一色ですね！

さて今日は、1年1組の授業を見学させていただきます。

みんな元気いっぱいの生徒たち。教室の雰囲気もとっても明るいなあ！
このクラスの担任でもある、木村　祐太（きむら　ゆうた）先生の授業です。

木村先生は、「子どもたちの意欲をどのように高めるか」を考えて授業に取り組んでいるんだ。授業中にも、木村先生の工夫が随所に散りばめられているみたいだよ。
今日はいつもと一味違う、「Unit5のまとめ」だよ。

どんな授業になるのかな。わくわく！

まずはSmall Talk（スモールトーク）です！　今日のテーマは「夏祭り」。
木村先生が、“Did you go to Summer Festival this year?” と生徒に質問をします。
“No.” “So-so.” などと生徒が答えます。

今度は “What food do you like in Summer Festival?” とたずねる木村先生。
“Fried noodles.”（焼きそば）と声があがりました。

ほかに焼きそばが好きな生徒がいないかたずねると…誰もいないみたい。
でもぼくは大好きだよ！

先生とのやりとりをした後は、生徒同士で練習です。

“Yes.” や “No.” だけでなく、“I like fireworks.” などを加えて返答しているね。
木村先生は、小学校からの学習で積み上げた知識を生かすため、質問には「3文以上で返答する」ように指導しているんだって。これまでの学習の成果が自然に表れている場面だね。

Small Talkでウォーミングアップを終えると、次はスライドの登場です。
ケニアのスラム街と、そこに住む子どもたちの現状について、生徒に写真やイラストを見せながら、木村先生が英語で説明します。生徒は静かに聞いています。

ここで、本日のめあてです。
「途上国の子どもたちに希望を与えるために、夏祭りについて教えよう」

ふむふむ。途上国の子どもたちに向けて、日本の夏祭りのことを伝える手紙を書くのが目標みたいだね。

まずは、ペアで会話の練習をします。
それぞれ、〈日本の子ども役〉と〈ケニアの子ども役〉に分かれて、〈日本の子ども役〉の生徒が、日本の夏祭りについて紹介します。
おおっ。ペアでの練習が終わったら、代表の生徒がみんなの前で発表です！
木村先生からのアドバイスももらいつつ、日本の夏祭りについて堂々と発表していました！

その後、ペアを代えて再び会話練習、全体へ発表、と計3回繰り返しました。話す相手が代わるので新鮮ですね！
ところで木村先生はソシオメトリーの理論（集団を分析するための一つの技法）を活用し、ペアの作り方も工夫しているんだ。（気になる人は調べてみてね！）いろいろな相手と会話することで、話すのがどんどん上手になっているよ！

ここで木村先生が何かを配付しています。
どれどれ……ケニアの子どもたちに向けて、日本の夏祭りを紹介した手紙のようです。生徒が読み取れるよう、既習事項だけを使った木村先生オリジナルの英文みたいだね。Q＆Aも付いているよ。

さあ、ここから文章を読んでいきます。ペアで声に出して読み合ったり、協力したりしているよ！

次は、音読練習です。
まずは指で文章をなぞりながら、木村先生の範読を聞きます。
木村先生が「はい、指」と言うと、みんな一斉に人差し指を英文の上に置いていました。

ペアで音読した後は、木村先生の後に続いて音読します。そして再びペアで音読練習。
何度も読むことで、内容も文法も定着していくんだね！

音読練習を終え、スライドに戻ります。ウクライナの写真、そしてイスラエルの地図とニュースの一場面。ケニアの話題から発展させ、「まさに今、世界で何が起きているか。」も伝えます。生徒たちは、ウクライナについては知っていたけれど、イスラエルの出来事はまだあまり知らなかったみたい。真剣な表情でスライドを見ていました。

ここからは実際に手紙を書いていきます。
生徒が取り出したのは……ルーズリーフ！　西南部中学校では、ノートではなくルーズリーフを使用しているそう。ノートに比べてルーズリーフの方が扱いやすく、宿題も集めやすいんだって。（なるほどー！）

「書く相手が違うから『目的・場面・状況』が生徒によって変わってくる。それぞれの生徒が問題意識を持っているものに、よりフォーカス（焦点）を当てる授業にしたかった」
木村先生はこうおっしゃっていました。先生にとっても、今回は新たなチャレンジを取り入れた授業だったそう。

ふむ。南スーダンやソマリアの子どもたちに向けた手紙が多いみたいだね。あっ！　ブルンジに向けて書いている子もいるよ。

ひとりで黙々と書いたり、ペアで相談したり……。
自分で調べた資料や、さっき音読練習した手紙も参考にできるね。
あっ、Word List やWord Roomを使って単語を探している子もいる！　教科書を使いこなしているね！

ほかの生徒が書いた文章も読み合います。お互いにアドバイスをして、さらに良い文章にレベルアップです！

今日の宿題は手紙を完成させること。イラストも描いてデコレーションしてね。

ここでチャイムが鳴りました。
とても濃密な授業でしたね。生徒たちが助言し合っているのが印象的でした。
また、随所に木村先生の工夫が見られた授業でした！
授業の流れも、Try out活動をしてから、正しい英語を聞かせることを重視しているそう。
とりあえず話してみる、というのが大切なんですね。

今日の授業で生徒に見せていたケニアの写真は、実際に木村先生がケニアを訪れた時に撮ったもの。大学時代は、国際紛争や難民問題を専門に学んでいたそうです。

「恵まれない人に手を差し伸べられる子どもたちが、教室から生まれてほしい」という木村先生。学生時代の経験が、英語教育への想いにもつながっているんですね！

子どもたちの手紙が完成したら……。木村先生には何か想いがあるみたいだったよ。もしかしたら各国の大使館に届くかも！？
ますます今後の展開が気になるし、また取材に行きたいな！

本日はありがとうございました！

では、次回もお楽しみに！　See you next again!

（取材日：2023年10月13日）