みなさん、こんにちは。えいごりらです。
昨年末に続き、岡山県にやってきました！
岡山県に来るのは3度目ですが、今回は、なんと、県北部まで足を伸ばしちゃった。

着いたのは津山駅。
駅を降り立つと、SL列車関連の情報がたくさん。駅の改札口には模型が見られたよ。

駅前には本物のSLが展示されていたので、記念撮影。

ほかにも、国内に現存する扇形機関車庫の中で２番目の規模をほこる「旧津山扇形機関車庫」が残されているんだって。駅のすぐそばにある「津山まなびの鉄道館」で見学できるみたいだよ。

中国山地の中にある大きな盆地の地形を生かし、津山市には古くはこの地方の国府が置かれ、政治・経済・文化の中心地となってきました。
その津山市中心部にある津山市立津山西中学校にやってきました。
1978年に津山市立西中学校・南中学校が統合され、新制の津山市立津山西中学校として開校してから45年。全校生徒は380名あまりの学校です。

ウェルカムボードで歓迎してくれたよ。

本日は1年生の授業を取材させていただきます！
授業内容は『NEW HORIZON 1』のUnit 10「Winter Vacation」。
授業を担当されるのは、“生徒を信じる”がモットーの黒瀬愛（くろせ　あい）先生（写真左）と篠原綾香（しのはら　あやか）先生（写真右）です！

さっそく、1年生の教室のある３階に上がってみると、なんと、またウェルカムボードが！！！

こんなに歓迎してもらって、なんだか自然と取材に気合いが入ります！！

1年生の中でも元気いっぱいの3組の授業がスタートです。

授業の始めはビンゴゲーム！
Unit10のNew Wordsを自学自習したうえでビンゴシートに記入。発表する中で一定以上マスが揃うとシールがもらえるよ！！
授業時間内で単語学習するのは限界があるので、楽しく自学自習できるようにビンゴやクイズで学習するように工夫しているんだって。ゲーム要素を盛り込むことで、生徒のやる気を引き出しているんだね。

今日は「Story③」の授業。
しっかりと本時のめあて（Today’s Goal）を板書で共有しているよ。黒板の右端には本時の大まかな流れ（Today’s plan）も明記されていて、授業のユニバーサルデザイン化を進める岡山県の取り組みが大切にされていたよ。

この後、ストーリースライドがみんなのタブレットに配信されたよ。

資料①

資料②

資料③

指導書にあるストーリースライドからヒントを得て、先生方が自作されたスライド。
配信と同時に黒瀬先生が問いかけます。

う～ん…。全部英語だから、なかなか分からないなぁ。
生徒のみんなも同じように悩んでいるなぁ……。何を問いかけられているのかなぁ。
ゲス……guessって聞き取れたよ。それから……
まだ、聞き取れていない人もいるみたい。
黒瀬先生は、丁寧に繰り返しているよ。
imagineと言い替えるなどもしていたよ。

黒瀬先生は少し繰り返して、みんなの反応を見て言いました。
「“Guess”means“推測する”.」
みんながわーっと笑顔になって「スライドから話の流れを推測するのね」と納得した様子。

津山西中学校英語科の方針は「とりあえずさせてみる」と「やってみて、困らせる経験を積ませて成長させる」なんだって。
みんな脳内に汗をかいている感じだったよ。

ストーリースライドを見て、まずは自分で推測し、グループで伝え合う活動が始まったよ。

友達のストーリーを聞いて参考にしたり、相手に応じて表現を選んでいる人もいたよ。

ここでびっくりしたのは、メモをしていない友達が多いこと。自分の考えをきれいな文に仕上げるのではなく、スライドから得た直感や友達の意見を聞いて得られた好奇心を重視するので、書かせることは強制していないんだって。

その後は発表。
難しい単語や表現は、篠原先生が板書してくれていたよ。前の授業で習ったばかりのspentなどを早速使って発表している友達もいたよ！

友達が発表した後は、「Nice challenge!」とか「Nice try!」などと言って、不確かでも発表する友達の主体的に学習に取り組む態度を評価していたよ。

今回の授業は、教師の「Oral introduction」ではなく、生徒自身が「Guess the story」の活動を通して授業をつかむ導入にしたんだって。

次に思考する場面として、TF問題を使って本文理解に進んだよ。

まずはみんなで音声だけを聞いてチャレンジ。そして、ListeningからReadingにつなげられるよう本文を読んでみる。ここでようやく教科書を開いたよ。

個人で取り組んでから、グループで伝え合う活動に展開。
教え合いで得たことを発表してもらう中で、TFの根拠になるところは、指導者用デジタルブックの本文にアンダーラインを引いて共有しているね。

さらに思考を深める活動が始まったよ。
まずはペアで本文を音読練習し、分からないところは教え合い。
机間指導する中で聞こえてきた、つまずきそうな単語は篠原先生が板書して共有してくれているね。

2学期までは、聞き取った音声や本文を見ながらそのままアウトプットする状態だったけど、最近はリテリングに近い活動をしている友達も見られるようになったんだって。

この後に、もっと深める活動がきたよ！！

『Asamiの最後のセリフの後、もしあなたが、「How about you? What did you do on New Year’s Day?」と聞かれたらどう答える？』との黒瀬先生の深堀り発問。

学習したことを生かして、ペアにインタビューしてみるんだって。
友達とインタビューする前に、黒瀬先生と篠原先生の実演が始まったよ！

（篠原先生にインタビューして、黒瀬先生が書いたメモ）

へぇ、広島の家族の元に帰省したとか、クリーム味のもみじ饅頭が好きなんだとか、質問された篠原先生がNew Year’s Dayをどう過ごしたかインタビューできているね！！！

この深める活動のポイントはこちら！

①ペアにインタビューした内容は、簡単なキーワードにまとめる。
②メモしたキーワードだけを頼りに、ペア以外の友達にペアの過ごし方を即興で教えてあげる。

即興でも、文法事項は事前にちゃんと確認して、さぁスタート！！

え～と……
この友達のメモを見ると……
・おばあちゃんの家に行った
・バドミントンをした
・おもちゃ2個
だって。最後の“おもちゃ2個”って何だろう？　ほかの友達にどう説明するのか楽しみだね！

みんな、自分が書いたインタビューメモを頼りに他の人に伝えようと頑張っていたよ。

中には、先生とのやり取りに挑戦している友達もいたよ。

最後はクラス全体で共有し、ペアのNew Year’s Dayについて分かったことを書いてまとめたよ。
活動の場面では直感や即興性を重視していたけど、まとめではしっかり書かせて学習内容が定着するよう工夫されていたよ。
ここで授業は終了。

気づくと、本時のめあて「パートナーのNew Year’s Dayについて他のクラスメートに伝えることができる。」を達成できた友達がたくさんいたよ。

黒瀬先生、篠原先生、素敵な授業をありがとうございました。

授業の後、芦田俊彦（あしだ　としひこ）校長先生にお話をうかがいました。

芦田先生が学校運営で大事にしていることの一つは、先生の自主性に任せること。とにかく、トップダウンではなくボトムアップで進める。いくつかのOJTグループを設けているけど、その核は教科会。先生方の同僚性が高まり、グループ感が発揮され、どんどん良い雰囲気になっているんだって。

そういえば、今日の授業でもどちらかの先生が優位というわけではなく、二人の先生があうんの呼吸で授業をファシリテートしていたね。

もう一つの特長が、お互いの授業から学び合うこと。
これには、岡山県教育委員会が組織する「授業改革推進チーム」の津山地区中学校のリーダーが、津山西中学校に在籍されていることも大きいんだって。

このリーダーを務めるのが、大塚しのぶ（おおつか　しのぶ）教頭先生。

大塚先生のモットーは「生徒を信じ、とにかくやらせてみよう」。これが英語科や津山西中学校に広まりつつあるようです。

実は今日のUnit10の「Story③」。前日に他のクラスで行った授業を大塚先生が見学してアドバイスしてくれたんだって。
そのアドバイスがこちら！

手書きで、なんだかとっても素敵♡
こうして先生同士がお互いの授業から学び合う姿勢があるからこそ、授業中に、生徒のみんなを信じて学び合うように促せていたのかもしれないね。

最後に、グループ感がすごい英語科の先生方にも集まっていただきました。

和気あいあいとやり取りされる先生方の雰囲気がとても印象的でした。
本当にありがとうございました。

充実感いっぱいに校門を出ようとすると……
あれっ！

そういえば、津山西中学校は、「M-1グランプリ」2022年王者の二人の出身校だった！！
どおりで、黒瀬先生と篠原先生のやり取りが絶妙だったわけだね笑

あっ、そうそう。
黒瀬先生から、津山地区は「ご当地グルメでまちおこしの祭典！　B-1グランプリ」で優勝したことのある「津山ホルモンうどん」が有名で、お肉がとても美味しいとお聞きしました。
津山駅に戻る前に、ちゃんと立ち寄らせていただきました！

これは津山地区で「ヨメナカセ」と呼ばれるお肉。
牛の大動脈を鉄板で焼いたもの。コリコリした食感で、噛んでいると味がにじみ出てくる！美味しかったぁ。
授業だけではなく、素敵なことを教えていただきました♡

（取材日：2023年2月17日）