今回は、佐賀県の中心部に位置する佐賀市にやってきました。
佐賀市は、北側は大きな山（背振山脈）ですが、南側の有明海に向かうにつれて平野が広がる対照的な地形になっています。山から海まで自然の全てが揃った佐賀市では、行く先々で様々な景色を楽しむことができます。
秋にはアジア最大級のバルーンフェスタの会場が設置され、世界中から集まった100機を超えるバルーンが大空に飛び立ちます。

さて、今回、取材する学校は「佐賀市立城西中学校」です！

授業を見せていただくのは、「眞島　孝治（ましま　たかはる）先生」です。

今回の授業は１年生！
それでは、授業の様子を覗いてみよう！

授業の範囲は、“NEW HORIZON Book1 Unit4”で、Unitのpart全体を通して音読させる授業だよ。
最初は、日常的な会話の練習からスタート。パフォーマンステスト（自分と友達を紹介しよう！）に向け、自分で作成した自己紹介の内容を、となりの生徒とTalkingしています。

そこでは、佐賀市の研究部会で作成された「English Hand Book For Performance Tests」を使って表現の工夫をしています。中学校を卒業するときに目標とする英語力から逆算し、現在どのような力を身に付けていればよいかが確認できます。

次に、part全体の内容を確認します。ListeningとReadingの活動です。生徒はストーリースライドを見て、音声と絵を照らし合わせながら内容を確認します。今回の授業が3回目のUnit 4の活動ということで、初回では内容理解が難しかった生徒も、内容を理解できている様子で、内容に関する質問に対して生徒からキーワードが出てきていました。

全体で確認が終わったら、ここから学び合いの時間です。

全体で聞いた音がどのようにspeechされているかを友達と確認しながら進めます。
聞き取れなかった部分を、個別にヘッドセットを使って聞き直したり、友達と一緒に教科書の二次元コードを読み取って音声を何度も確認しながら学び合ったりしていたよ。

グループ作りは自由で、気心知れた友達と何度もやり取りをする声が聞こえてきます。しっかり発音できた生徒から、黒板にあるネームプレートを「達成できた人」の枠に移動して、困っている生徒が分かるようにしていました。そこから、発音がまだ十分でない友達をサポートできるような工夫もしていました。
学び方の工夫を電子黒板に表示するなど、取り組み方の共有も図っていたよ。

本時の目標は音読できること！
目標に向けて全員がしっかり学習できていました。授業の最後に先生から「50分の授業では、全員が終わらなかったけれども、学習し続けることで必ずできるようになります。みんなは学習を続けていく『仲間』です。誰一人取り残さない優しい心で困っている人を助けながら、今後も学習に向けて頑張りましょう。」と話していました。

後日談として先生から、
「後日行われたパフォーマンステストでは、みんな間違いを恐れず笑顔でたくさんの英語を使ってくれました。」
とおっしゃっていました。

授業が終わってから眞島先生にインタビューを行いました！

「英語‘ラーナー’ではなく、英語‘ユーザー’が多くなってほしいとのことから、英語が苦手な生徒たちも参加できるような授業を目指して、授業作りを考えています。中学校から英語を『書く』宿題や活動が増えます。書くことが苦手な生徒にとっての負担が大きくなり、英語嫌いに繋がっているように感じます。そこで、書く負担を減らすために、音読やスピーキングの時間を増やし、口にだして練習することで気軽に英語に取り組めるように配慮しています。例えば、書くことに困り感のある生徒には、タブレット端末のディクテーション機能を使って書けなくてもレポートが提出できる授業を模索したり、読むことに困り感のある生徒には、音声読み上げ機能や二次元コードの読み取りを使うことで読めるようになる授業を模索したりと、困り感のある生徒がこれならできるかもと思い、参加できる授業を目指しています。新型コロナ禍以前は洋楽を歌ったり、リズムで覚えるチャンツを使ったりして楽しい時間がとれたのですが。今は、生徒が我慢を強いられることが本当に多く、楽しく学習するのが本当に難しいです。」
とのことでした。

他にも、ストーリースライドがあることで、生徒たちが単語の意味を正しく理解していなくてもなんとなく意味を想像し、話全体の意味を捉えることで、意味を理解できるので助かっているとのコメントもありました。「なるべく教師が話す時間は短く、生徒（自身）が英語に触れる時間を長くすること」で学び合いの考え方を取り入れています。また、「できないことはチャンス」と困り感のある生徒のモチベーションを上げたりされていました。生徒の要求に合わせることで、生徒にとっても、先生にとってもwin-winな授業に取り組まれていました。

最後に、校長の宮島隆（みやじま　たかし）先生に学校についてお話をお伺いしました。

城西中学校は、令和4年度の全校生徒は328名で、伝統的に自主研究発表を積み重ねてきた先進的教育研究実践校です。佐賀大学の教育実習生を受け入れ、代用附属校という特色をもった学校です。
本校の学校教育目標「真善美に根ざし、粘り強く『理想』に向かう城西中生の育成」の具現化を目指し、継承と創造により、活力と優しさの溢れる環境のもと、一人一人の「良さ」を伸ばし、互いの「良さ」を認め合う集団になるよう、日々の教育活動にあたります。

今回のレポートはこれでおしまい！　 次はどこにお邪魔しようかな？
次回もお楽しみに！！

（取材日：2022年7月7日）