学校の様子・街紹介

みなさん、こんにちは。えいごりらです。
6月なのに梅雨が明けて、もうセミが鳴き始めてるよ。この木かな！？

今日は石川県野々市市に来ています！
石川県の中部に位置する野々市市は、「住みよさランキング」で1位になったこともある人気の街だよ。歴史を感じる町家もあれば、とってもおしゃれな図書館、椿がきれいな公園なんかもあって、のんびり散歩したら楽しいだろうな。
ぼくは、さっき見つけたあの金沢カレーの本店が気になるな！

今回取材させて頂くのは「野々市市立富陽小学校」です。開校から41年目を迎え、現在は約840名の子どもたちが学んでいます。

英語教育への取り組み紹介

校内には英語用の教室が2つも！「World Room」と「English Room」と名前が付いていて、高学年と中学年で使い分けているそう。

World Roomの前方には、日常の会話例が掲示されていて、自然に目に入ってくるように工夫されているね。

English Roomには学年に応じた表現のヒントがたくさんあるね。

廊下には、ALTの先生が作成した掲示物もあったよ。
普段英語だと思って使っているカタカナの言葉が実は…。興味が広がる工夫がいっぱいだね！

授業レポート・先生紹介

「World Room」で5年3組の授業を見学するよ。
担当されるのは豆野元春先生。英語専科2年目です。それまでの教員歴6年間は1～3年の担任で、英語の授業をほとんど担当したことがなかったそう。富陽小に赴任して専科に任命されたときは本当に驚いたんだって！
一緒に授業するのは、フィリピン出身のALTクリスティーン先生。

本当に笑顔が素敵なお二人！　先生の笑顔のおかげで、クラスが自然と明るい雰囲気になるね。先生もみんなも元気いっぱいな英語の授業が始まりました！！

今日の学習は『NEW HORIZON Elementary５』Unit３「What do you want to study?」だよ。

今日もとても暑い日。「ぼくは体育のプールが好きだけど、英語の先生だから体育の授業に行けない…。」そんなエピソードを交えて、豆野先生がクリスティーン先生と英語でやり取りしているよ。そこから「What is your favorite subject?」と、みんなに投げ掛けが。
ペアでのやり取りがスタートしたよ。
まずはSmall Talkで、好きな教科を伝える既習表現のふり返りだね。

5年3組の一番人気は「P.E.」だったよ！

豆野先生からのもう一つの質問は、「What do you want to study?」
「食べもの？」、「studyって何？」など、みんなのつぶやきが聞こえてくるね。

クリスティーン先生と豆野先生がそれぞれの「I want to study 〜. 」を英語で伝えます。
豆野先生は「I want to study home economics.」。理由は「I want to make an original dress for my daughter.」。みんな分からない英語でも推測しながらしっかり聞こうとしてる！！「あー！」「なるほど！」「Oh, I see !」…次第に声が上がり始めたよ。
どんなときに使う表現か少しずつわかってきたかな。

ここであらかじめWorld Roomの壁に掲示していたUnit3の「ゴール」や「つけたい力」、毎時目標の一覧を使って、単元ゴールと今日の目標「どの教科を勉強したいかな」を確認するよ。

今日の目標を確認したところで、先生からのスペシャルクイズ！

「What do you want to study?」の質問に、誰が何と答えているのかを当てる問題だよ。

音声が流れます。「○○△△**○○！！？？！！」
先生！　速すぎて何て言っているかまったくわからないよ！！
もう一回。まだまだ速いなぁ…。

みんなの声を受けて、音声がだんだんとゆっくり、はっきりしてきたぞ。
わかった。5年2組の先生だ！

音声の速さが変わるから、しっかりと聞かないと答えがわからないね。
クイズを通して「I want to study 〜.」という大切な表現に楽しく何度も触れることができたね！

いよいよみんなが勉強したい教科を考えます。ここでは、Chromebookと授業支援システムを活用するよ。

自分が勉強したい教科の「絵カード」を選んで先生に送っているね。

みんなの絵カードが集まったよ。どうしてその教科を選んだのかな？
「楽しいから」「上手くなりたいから」「わくわくするから」「苦手だから」などなど、
いろいろな理由が出てきたぞ。

ここでもう一度、掲示を確認。
このUnitのゴールは「夢に近づく時間割を作って紹介する」だったよね。

「そうだった！」との声が上がったよ。
豆野先生は、「授業の中でゴールへの見通しを持たせる」ことを特に意識しているそう。
だから、いつでも目標を確認できる掲示があるんだね！

「夢に近づく時間割を作る」というゴールを再確認したことで、教科を選んだ理由を「未来に向けた理由」につなげて伝えられるといいことがわかったね。

もう一度Chromebookを開いて、今度は「理由カード」にその教科を選んだ理由を書いていきます。
未来に向けた理由を考えることは、将来の自分の姿を考えることにつながるね。書いたり消したり、悩みながら考えている様子が伝わってくるね。

書き終わったら、ペアで伝え合います。

やり取りすると「〇〇は英語でなんて言うの？」との質問が出てくるよね。
豆野先生は答えをすぐに伝えず、出てきた質問をみんなで共有します。そして、クリスティーン先生も一緒にみんなで表現を考えていたよ。
豆野先生は、「自分事として考えられるように」「いろいろな表現に触れられるように」との想いから、毎時間このように、みんなで考える時間を取っているそう。

いよいよ最後のスピーキングタイムです。

みんなはこれまで勉強してきた表現を使って、多くのクラスメイトと、選んだ教科とその理由を伝え合っていたよ。

端末の「絵カード」と「理由カード」があることで、自分の思いが相手に伝わりやすくなるんだね。
「夢に近づく時間割」の完成に向けて、また一歩前進だね！！

今日の授業は、ほとんどが英語で行われていて本当にびっくり！

豆野先生が専科になるまで英語の授業をほとんど持ったことがなかったなんて、信じられないよ…。

豆野先生はこれまでにバックパッカーとして、たくさんの国を旅したそう。
そこで、言葉が通じなくても伝えようとする気持ちとボディランゲージが大切ということを実感したんだって。この経験が「がんばって英語を使う姿を見せることで、児童の刺激になってほしい」との想いとなり、英語でのコミュニケーションが自然と広がる授業につながっていたんだね！

校長先生のお話

最後に、中野淳子校長先生にもお話を伺いました。

中野校長先生は「子ども達には臆せず話をしてほしいし、何とか伝えたいとの気持ちを持ってほしい」とおっしゃっていました。「何とか伝えたい」との気持ちがあれば、「どうすれば伝わるか」を考える。これまで習ったことを活かして、時には友だちの力も借りながら表現を考える。自分が考えた表現が伝わると嬉しくて、また伝えたくなる。そんな英語の授業になってほしいとの想いを持っておられます。

今日は、まさにそんな授業だったよね！
ちなみに中野校長先生によると、英語ばかり話している豆野先生を外国の人だと思っている児童がたくさんいるそう。確かに廊下ですれ違うとき、みんな「See you!」って挨拶していたよ！

富陽小学校のみなさん、今日は本当にありがとうございました！！

野々市市の公式キャラクター「のっティ」ともすっかり仲良しになっちゃった！
また遊びにこようっと。

今回はこれでおしまい。
ではでは、次回もお楽しみに！

（取材日：2022年6月30日）