やってきました！
群馬県みどり市！！

鶴舞う形の 群馬県
群馬県民なら誰もが知っているこのフレーズ！
群馬県は「鶴」のような形をしていますが、みどり市はちょうど鶴の翼のあたり。

本日はみどり市立大間々南小学校へ行きたいと思います。

この春に創立53年を迎える大間々南小学校は、全校児童136名(令和４年現在)の学校。
地域との結びつきを大切にするステキな学校です。
そんな大間々南小学校にも令和２年度より子どもたちにChromebookが配付され、
令和３年度より、みどり市費で「学習者用デジタル教科書」も配付されました。
今日はどんな授業が行われるのか！?　とても楽しみ！

早速校内におじゃますると…

日本で初めて旧石器時代の存在が明らかになるきっかけとなった「岩宿遺跡」！
そうです！　岩宿遺跡が発見されたのがみどり市です。

英語教室に５年生の子どもたちがやってきます。
ALTのGemma（ジェーマ）先生が消毒液で子どもたちをお出迎え。
“Here you are.” “Thank you.” “You’re Welcome.”と簡単なやり取りが始まります。

Gemma先生はフィリピン出身の明るく元気な先生。

さて、授業が始まります。
本日の授業を担当されるのは、小暮由香先生です。
今年で、小学校外国語専科として５年目になるそうです。
今日から３回にわたって１年間の授業の復習を行います。

おっと！
早速端末ログイン！
子どもたちは手慣れたもので、すぐにパスワードを入力！
パスワードを自分で管理するのも、大切な習慣だよね。

「これまで習ってきた歌やチャンツの中で好きなものを２つ家で聴いてこよう。
何を聴いたかGoogle Formsで教えてね。」
と事前の宿題を出していたようで、
今日はみんながよく聴いていた歌とチャンツを、授業の導入でやってみます！
Unit1のリズミカルな歌が始まります。“Hi,Hi,Hi.　Hello,Hello,Hello〜”

みんなすごい！　４月に歌っていたものを口ずさんでいる！
耳で音を覚えているとはまさにこのこと！
細かな意味よりも、まずは音で楽しく！　ですね。

早速！　学習者用デジタル教科書を開いている５年生を発見！
歌詞を見ているようですね。

小暮先生は、文字に興味のある子どもに、スクリプトを見てごらんと伝えているようです。
もちろん、大型モニターでイラストを追いかけながら歌う子どももいます。
子どもたちが、自分で歌い方を選んで歌っているのがステキですね。

ここで、本日のスペシャルミッションがGoogle Classroomに届いたようです。

スペシャルミッションを遂行するために必要なものが、小暮先生より言い渡されます。
・タブレット端末
・学習者用デジタル教科書
・役になりきる心

さぁ！　Stage1開始！！！
舞台はみどり市の小学校。
オーストラリアからの転校生役の子と二人一組で会話をするミッションです！！
ここは、１学期のUnit1の内容ですね。
さっきの歌の効果もあって、子どもたちもどんな表現をすれば良いか、少しずつ思い出しているみたい。
こちらは紙の教科書をみんなで使って、表現を考えているみたいですね。

こちらは学習者用デジタル教科書を使っていますね。
「しおり」機能を上手に使いながら、複数のページを器用にめくっています。

この班はグループとデジタルが融合されていますね。

「Picture Dictionaryを見たら載ってるよ。」と聴き合っているグループもあります。

小暮先生は、「何をどう使っても良いよ」と普段から子どもたちに伝えているようです。
だから紙の教科書が良い子は紙の教科書を、デジタル教科書が良い子はデジタル教科書を、
他人に聴くのが良い子は聴きに行くスタイルで、
それぞれの子どもが、自分で選択肢を決めて、学習を進めていける訳なんですね！
これは、タブレット端末を使った授業づくりのヒントになりそう！！！

そしてもちろん、先生からのサポートを必要としている子どもたちもいます。
小暮先生とGemma先生がGoogleフォームで個人ごとの進捗状況を確認しながら、
サポートを必要としている子どものところに向かいます。

まさに個別最適な方法で、子どもたちは次々とミッションをクリアしていきます！
最後に本時の振り返りをして、濃厚な45分は終わり！

小暮先生！
どうしたら、子どもたちがタブレット端末を使いながら、個々に応じた授業を進めることができるのでしょうか！？

「本校でも令和２年度からタブレット端末が導入され、最初は必ず机上に置かないといけないのかなと思っていました。
もちろん授業の中で全員がタブレット端末を使うこともありますが、『何をどう使っても良いよ』のスタイルで授業を進めることもあります。」

なるほど！
子どもたちが自由に好きな道具を使いながらミッションに取り組んだ背景には、そういう安心感があるんですね。
英語教室は机の中が空で、そのときに使っていないものを片付けられるので、机が散らかることもありませんでしたね。
小暮先生は、子どもたちに小学校英語を通してどのような資質・能力を身につけさせたいと考えているのですか？

「自分の考えていることや気持ちを、伝えられるようになってほしいなと思います。
小学校英語は週に２時間しかありません。
そんな短時間で英語をマスターさせることは難しいと思います。
中学生になったときに、こんなことやった！　なんかやったことある！　と思い出すきっかけになれば良いなと思っています。」

ところで、学習者用デジタル教科書は、これまで他にどのような使い方をされていたのですか？

「５年生のUnit５『Where is the post office?』で使いました。書き込んだものをすぐに消して修正できる点はデジタルならではだと思います。これまでは紙に書かせていたのですが、消すと汚くなるのが難点でした。」

「他にも、音声は手軽なので子どもたちによく使わせています。週２時間のみの授業なので、授業と授業の間の宿題で歌を唄う宿題を出すことで、少しでも英語に触れる時間が増えたらなと思っています。
他の学校では、他教科のページを２画面表示させながら授業をしたこともありました。５年生のUnit6『What would you like?』では社会科のデジタル教科書と並べながら授業をしました。
リスニングをしながら、簡単なメモを取らせることもあります。それぞれプリントを作っても良いのですが、直接デジタル教科書に書き込ませることで教員の手間を省くことができると思います。」

なるほど！
デジタル教科書ならではの活用の仕方がありますね！
小暮先生、ありがとうございます。

大間々南小学校校長の鎮西宏子先生にも話を伺いました。
鎮西先生、タブレット端末を活用し始めた中で、何か見えてきたものはありますか？

「タブレット端末はいろいろな教科で活用を試みていますが、英語の授業が一番活用頻度が高く、親和性の良さを感じています。なかでも小暮先生の授業は、個別学習でも協働学習でもタブレット端末が出てくるところがポイントだと思っています。
５年生のUnit５『Where is the post office?』では、本当に道案内しているような臨場感をもって子どもたちが活動していました。」

なかなか外国に行ったり、外国の方と触れ合ったりする機会は少ないでしょうが、
臨場感をもてるというのは、タブレット端末の強みですね。

「本校ではコロナ禍を機に、ご両親の都合で外国から一時帰国した兄弟が二組いました。一組はインドネシアから日本に来て、既に帰国しており、もう一組はシンガポールから日本に来て、来年度アメリカに向かう予定です。
来年度の英語の授業では、オンラインでそれぞれの兄弟とクラスの子どもたちをつなげてみようと考えています。
なぜ英語の授業をするのか、英語に慣れ親しむとどのような良さがあるのか、なかなか体感しづらいところですが、こうした機会を通して、子どもたちに英語の学習の必要性を感じてもらえると良いかなと思っています。」

鎮西校長先生、ありがとうございます。
日本の小学生が直接外国の小学生とつながるというのは、つい最近まで難しかったことです。
子どもたちも感動するでしょうね！
来年度がさらに楽しみです！

今回のレポートはこれでおしまい。
ではでは、次回もお楽しみに！

（取材日：2022年3月16日）