こんにちは！　えいごりらです。
今日は山口県の下関市立長成中学校にやってきたよ。
長成中学校は、むかし長門国の国府が置かれていた長府という地域にあって、たくさんの歴史を感じることができるんだ。
校門の瓦がとてもかっこいいね！

最初にお話を伺ったのは、倉本敦（くらもと あつし）校長先生。
高校生の時は広島県の強豪校で野球をしてたんだって！
後ろに赤い球団のカレンダーがあるね。

そんな倉本校長先生に長成中学校の取り組みを聞いたよ。
長成中学校の校区は、１小学校１中学校。その特性を生かして、小中９年間を見据えた学校教育目標と目指す生徒像を掲げているんだ。
小学校・中学校を通して目指すものが変わらないから、先生も生徒も見通しを持って学校生活を送れるね！

次は、英語科主任の池田由美（いけだ ゆみ）先生に取り組みを聞かせてもらったよ。

長成中学校では３年前から英語科の先生が、小学校で乗り入れ授業を行っているそうだよ。
最大のメリットは、小学校の様子が分かること。
令和2年度から小学校で英語が教科になって、大きく英語教育が変わったよね。小学校でどのように何をどこまで学んでいるのか知ることができる。だから、中学校で準備すべきことが明確になるんだって！　小学校と中学校をスムーズにつなげられるね。
もう1つのメリットは生徒に安心感を持たせられること。
中学校に入学したときはワクワクドキドキもあるけど、ちょっと不安もあるよね。
中学校の先生って怖いんじゃないかって。でもそんな時に知っている先生がいると安心だよね！
ここにも1小学校1中学校の特性が生かされてるって感じたよ。

さて、いよいよ授業が始まるよ。見学するのは、1年1組。
担当は安海和枝（やすうみ かずえ）先生。
安海先生、1年1組のみんな、よろしくね！

内容は「Unit9 Think Globally, Act Locally」Mini Activityで、1.5時間構成の1回目。
Story①、②で学んだことを基に自分の行きたい国（訪れたいところ、食べたいもの、見たいもの、買いたいもの、現地の人と一緒にしたいこと）を考えるよ。
今日考えたことを次の授業で発表するから、その時に使うスライドも準備するよ。

あ、始まった！
あれ？　前に男の子が出てお話している！？
後で聞いたんだけど、あの男の子は英語科の日直。
会話のイメージを持たせるため、英語を使う機会を作るために、日直を決めているんだって。
日直は台本を基に生徒同士、先生と簡単な会話を5分程度するんだ。
小学校のSmall Talkに似ているね！　小中接続をうまく実践しているなぁ。

【日直の台本】

次は「単語練習プリント」「ビンゴゲーム」で単語の確認！
毎時間の帯活動として設けているよ。10分間ぐらいの活動だったかな。
「単語練習プリント」で発音練習、「ビンゴゲーム」で書き写すんだ。
扱う語彙がとっても増えているけど、これだと楽しみながらできそうだね。

【単語練習プリント、ビンゴゲーム】

※ 入門期の文字指導については、
こっちにまとめてもらっているよ。

　今後もいろいろなテーマで更新していくから、チェックしてね！
（https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/ten_download/2021/2021115228/2021115228-01.htm）
（https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/ten_download/2021/2021115228.htm）

次は「すらすら英会話」を使ってKey Sentenceの復習！
まずは音読練習。
そして、先生のお手本を聞いて、それをベースにペアで会話をするよ。
安海先生はエジプトに行きたいんだね！
コシャリっておいしいのかな？

【すらすら英会話】

これがその時の写真だよ。
「すらすら英会話」と同じ内容を黒板に板書して、電子黒板にも映しているね。
重要な表現は残したまま、映像で視覚的に捉えさせているんだ。
アナログとデジタルを、うまく共存させてるなぁ。

最後は自分が行きたい国を調べるよ！この時点で授業は残り25分。
基本となるのは、さっきの「すらすら英会話」。
「Mini Activityワークシート」を使ってタブレット端末でまとめていくよ！

【Mini Activityワークシート】

みんなタブレット端末の操作も、お手の物だね！
どんどんプリントが埋まっていくよ。

早くできた男の子が発表したところでチャイム！
いよいよ次の授業では、今日調べたことをみんなが発表するよ。
その授業も見たかったなぁ。

何ごとにも全力で取り組み、楽しんで学んでいる1年1組のみんなを見て、たくさん元気をもらったよ。
みんな、ありがとねー！
そんな1年1組の教室には、かわいい飾り付けがたくさんあったよ！
とてもいい雰囲気は、こんなところから生まれているんだなって感じたよ。

授業が終わった後に、安海先生にお話を聞いたよ。

今回の授業のポイントは、小学校で使っている教科書『New Horizon Elementary English Course6』Unit3「Let’s go to Italy.」との接続を意識して、学びを積み重ねていること。

具体的には、こちら。
①小学校で扱った表現の“Italy is a nice country.” “You can see the Colosseum.”を、中学校のKey Sentence“want to〜”を用いた“I want to go to Italy.” “I want to see the Colosseum.”につなげること。

②1年生のコンセプトである「英語で世界とつながろう」（教科書の表見返し）を踏まえ、『そこの人と何をする（現地の人と一緒にしたいこと）“I want to talk about history with the people.”』という視点を加えること。

③小学校で書いた「旅先案内カード」を、今回はタブレット端末で作成すること。

④作成した資料を見せながら、ペアでたずね合ったり、みんなの前で発表したりする。発表は小学校と同様に英文を覚えて、原稿を見ずに行うこと。

その他には、楽しく活動するために生徒が大好きなタブレット端末を使ったり、ゴール（今回は生徒がペアで行きたいところについて聞き合う、発表する）に向かって自然と達成できるような単語やモデル文を用意したりしたこと。

小学校からのつながりで今回の授業が作られていたんだね！
生徒のみんなも、小学校の経験を中学校で生かせれば、自分が新しくできるようになったことや身に付いたことをより実感できるね。
小学校のこと、ぼくももっともっと勉強しなきゃなぁ。

最後に安海先生の言葉を紹介して、このレポートは終わり！　またねー！
「授業者の醍醐味は、生徒が創り出す予想外の展開を見ることです。この授業でもおもしろい内容の発表がたくさんありました。そのために様々な工夫を仕掛けることが自分自身の楽しみです。これからも、元気な1年生と共に、楽しみながら英語を学んでいこうと思います。」

（取材日：2021年12月14日）