こんにちは！　えいごりらです！
今日は岩手県奥州市にやってきました。初めての岩手県にワクワクしています！

そして、今回取材をさせていただく学校は「奥州市立水沢小学校」です。

出迎えてくださった朝倉啓二校長先生に、奥州市や学校のことについて教えていただきました！

奥州市は数多くの歴史的な著名人を輩出した「偉人の街」でありながら、最先端の科学技術プロジェクトを推進する、過去と未来が共存する街です。水沢小学校の校章は、奥州市の歴史と未来を象徴するデザインになっています。

校章の下に見える「Z」の文字は、旧水沢市の緯度観測所（現国立天文台水沢VLBI観測所）初代所長の木村榮が世界で初めて発見した、地球の経度変化の計算式「Z項」にちなんでいます。この観測所の研究は、史上初のブラックホールの影の撮影にも貢献しています。
また、校章の外側には「水沢三偉人」である後藤新平と斎藤實の名前にある「藤」の花を配しています。

そんな水沢小学校は1873（明治６）年に創立され、令和３年で148周年を迎えます。
岩手県で一番古い校歌を1902（明治35）年から歌い継いでいるので、おじいちゃんおばあちゃんから孫の世代まで皆で歌えます。
（年齢に関係なく地域で共有できる文化があって、すばらしいですね！）

授業が始まる前に、水沢小学校のENGLISH ROOMを見学させていただきました！
英語の授業を受けるときは、こちらの教室に移動します。先生方が手作りをしたパズルなどの教材があり、子どもたちが主体的に取り組めるように工夫されています。

さて、取材させていただくのは、元気いっぱいの6年1組です。担当は千葉道子先生とALTのティモシー・パディラ先生です。
授業の内容は「Unit６　Let’s think about our food.」です。

このあとの授業で開催される「Original Curry Contest 2021」に向けて、本時では、カレーライスの材料になる食べ物の単語を確認し、「どっちの食材を食べたいか？」というトークをペアゲームを通して学習します。
（どんなカレーが登場するのか、コンテストの様子も気になります！）

授業のはじめは、「What did you eat？」の歌を聴きながら、Small Talkへとつながる表現を確認します。
そして、「What did you eat for breakfast？」とSmall Talkの活動へ移り、子どもたち同士での簡単なペアトークを実践しました。

子どもたちのトークを支えるための活動が、指導者用デジタルブック（指導書同梱）を用いて行われていました。指導者用デジタルブックの「モデル映像」を繰り返し見たり、先生のお手本を見たりすることで、子どもたちが自分の言葉でトークができるようにします。そして「モデル映像」を見る際も、漠然と見るのではなく、教師が「１回目は全体の流れを見てみよう」「２回目は、トークの場面やそれぞれが話している内容を読み取ってみよう」などと、見るたびにねらいを変えることで子どもたちにトークの流れや話し方を定着させていく、というお話を授業の後に千葉先生から伺いました。

子どもたちそれぞれがPicture Dictionaryを活用して、ペアトークを実践しています。みんないきいきとして、自分の選んだ食材でトークに取り組んでいます！

そしてPicture Dictionaryをモニターに映し、みんなでカレーの材料になりそうな食べ物の単語を確認します。一通りの単語を確認したあと、この日一番の大盛り上がりとなった「Which One Game」が開催されました！
2種類の食材に対して「Which one？ One, two! 」の合図で、ぺア同時に自分の選んだ食材を相手に伝えます。
同じだったら「Good!」、違うと「Oh, no!」のリアクションも行います。

ここで授業に参加されていた6年1組の担任の先生が、お手本として何度かゲームをしてみました。
ティモシー先生と選んだ食材が偶然にも連続で同じだったので、見ている子どもたちも大盛り上がりでした！
担任の先生も授業に参加することで、最初は緊張気味だった子どもたちが、最後はノリノリでトークを繰り広げていました！
（担任の先生の英語授業への関わり方が、とても参考になりました！）

ここからは授業を取材させていただいた、千葉道子先生、ティモシー先生にインタビューを行いました！

千葉道子先生は水沢小学校に赴任されてから、外国語専科として務められています。もともと英語の教員免許を持っていたものの、初めのうちは指導に苦労されることもあったようです。しかし、「型を与え、手順をしっかりと示す」「ゴールを大切にして授業を組み立てる」「どの子も参加できる授業づくりを」という考えのもと実践を積み重ねられました。
すると、だんだん子どもたちが慣れてきて、英語の学習に取り組む雰囲気が出来上がっていったのだとか。

またこれまで担任を務めてきた経験をいかして、他教科との関連も授業づくりの中で意識されています。本日の授業では、家庭科のポスターを用いて栄養バランスも確認しました。

そんな経験豊富な千葉先生とともに水沢小学校の英語教育を盛り上げているのが、ALTのティモシー先生です！
アメリカ出身のティモシー先生は、ご自身が中学生のときに日本の中学生と文通で交流した経験があり、そこから日本への興味が強くなったのだとか。さらにICTの取り扱いも得意とされています。
英語教育について、子どもたちが英語を学習することを通して、世界へ目を向け、多様な人々とつながりを持ってほしい、と強い想いを語ってくださいました。

最後に朝倉啓二校長先生から、「本校の歴史のように、水沢小学校のすべての先生が、千葉先生やティモシー先生の英語教育の実践を受け継ぎ、発展させていってほしい」という英語教育への想いを語っていただきました。
実際に水沢小学校では「外国語指導推進計画」という取り組みを行っており、時間の合う担任の先生が英語の授業に参加し、千葉先生やティモシー先生と一緒に指導されているようです。
この取り組みには、「すべての先生が英語指導をできるように」「できる先生が他の先生にも受け継いでいく」という想いが込められているようです。

歴史ある学校でありながら、新しい取り組みにもチャレンジしようとする、まさに奥州市のよさがぎゅっとつまった素敵な学校、そして素敵な先生方、子どもたちでした！
ありがとうございました！

今日のレポートはこれでおしまい！
次回もお楽しみに！

（取材日：2021年10月20日）