みなさん，えいごりらです。
さて，今回は「デジタル技術を使った最先端の英語の授業」が行われているという噂を聞きつけ，新潟県の県庁所在地にある新潟市立上所小学校にやって来ました。教育ビジョンは，「地域社会に貢献し，国際社会で活躍できる人間」。まさに小学校英語にぴったり！
でも，正直申し上げて，デジタル技術にうといんです。そんな僕でも分かるのかなあ……ドキドキです！

校舎の中庭の中心に池がある，とってもすてきな構造です。

さて，今日は６年１組を取材させていただきます。この組は「あいさつ名人」がいるクラス。児童も元気に挨拶してくれました！

さて，児童が次々と取っていくものが教室の外に…何だろう，これはもしかして，噂のデジタル端末？

そして，これは噂の「ログイン」？

…絶対，ログインだ!!　それにしても，みんなスムーズにデジタル端末を扱っている。すごいな～。

そしてふと教室の後ろを見ると，掲示板にこのような文字が。さすが米どころ，新潟県！

さて，いよいよ英語の授業が始まります。授業をするのは昨年度まで学級担任をしていた神田多恵子先生。今年度は外国語専科として，上所小学校の４～６年生の英語の授業を担当しています。今日の単元は，Unit 5のWe all live on the Earth.。まずは，今日の日付や天気などを確認したあと，What vegetable do you like? のSmall Talkから本格的な授業がスタートします！

続いてSounds and Lettersの活動です。wetの単語では，「あ，ウェットティッシュのwetか！」といった気付きも見られました。すごい！　神田先生によると，最後にこの活動を行うと，時間がなくなり中途半端になってしまうことがあったので，思い切って最初で行うようになったそう。

続けて，みんなでチャンツを言います。元気な声が聞こえますが，マスクで口元が見られません。仕方ないとは分かっているのですが，やっぱり残念です…。

そして，神田先生はここまでのUnit 5の学習をふまえてToday’s Goalを板書しました。

板書が終わると，神田先生は改めて問いかけます。
「住んでいる場所，食べているもの以外に伝えられることは何かな？」。
児童からは「“できること”のcanが使えそう！」「特徴が言えると思う」といった声が次々と出てきます。「じゃあ，その二つの表現を使って，情報を付け加えてみようよ！」と児童に語りかけた神田先生からは，謎の言葉が!?
「じゃあ，ロイロノートで『振り返り』を送るからね～」
何だろう，「ロイロノート」って？　そんな僕の疑問をよそに，みんなはタブレットを開いて，サクサク使いこなし始めます。

あとで調べてみると，ロイロノート・スクールは自分のいろいろな考えをカードに書いてつなげて自分の考えをまとめたり，つくったカードを先生に提出したり，友達と共有したり，蓄積されたポートフォリオになったり，もちろん先生からもデータを送れたり…といった，すぐれた授業支援クラウドだそう。こんなシンキングツールもあるようです。

そのあと児童は，このようなシンキングツールやインターネット，そしてPicture Dictionaryも使いながら，「付け加える情報」を調べて，教科書本体の「わたしのせりふ」に次々と記入していきます。Penguins are coward.（ペンギンは臆病です。）といった独自の表現を加えている児童もいました。なんてWonderful!　途中では，神田先生が追加する表現例をあげて，しっかりサポートします。

最後は児童に，自ら考えた文章を発話させて端末で録音，提出させます。そして神田先生は今日の板書を撮影して，児童各自のデジタル端末に共有までしていました。

神田先生は授業後，「やはり英語の授業で大事なのはコミュニケーション活動なので，端末を使わせる時間の設定には気を配っています。録音して提出するようになり，今までよりがんばって話すようになりました。うまく表現できていない箇所も次の時間までに確認でき，個別に指導し，児童も自分が話したいことを自信をもって言えるようになってきました。録音すれば記録に残す評価に使うこともできますよ！」と，デジタル端末を活用するコツを教えてくれました。

インタビューのあとには，英語を使ったとっておきの場所にも案内してくれました。Thank you!　ここでは，授業で黒板の実際に使った素材を掲示するなどしており，神田先生は「このようにすると，手間もかかりませんし，『文字の色が違うのはどうして？』と興味をもち，聞いてくる児童もいます！」とアドバイスも。

でも，気付いたら，こんな掲示も……だれでしょう？　もしかしたら…？

そう，この上所小学校の大井隆校長先生でした！　神田先生いわく「頼れるお兄さん」である大井校長先生は，新潟市教育委員会指定GIGAスクール対応課題研究校に認定された同校を引っ張る存在。「iPadと，それに入っているロイロノート・スクールは，ノートや鉛筆のような存在で，道具としてすぐれている」と教えてくれた上で，「現在のＩＣＴ環境はこれまでとはまったく異なる状況で，非常に可能性が広がっていると感じています」と手ごたえを感じている様子。その上で，「できること，やれることからチャレンジしていきたいと思います」と意気込みを語ってくれました。大井校長先生，期待してます！

う～ん，時代はぐっと進んでいるんだな～。僕もがんばらないと。
それでは今回のレポートはこれでおしまい！　次回もお楽しみに！

（取材日：2020年11月13日）