みなさん，こんにちは。えいごりらです。
今日は東京都港区の笄（こうがい）小学校にやってきました。

西麻布の住宅街にあるこの学校では，約450人の児童が学んでいます。

この地域は大使館や企業が多く，児童の約3割は外国人なんだとか。そのため，外国人向けの日本語学級があります。

日本語学級の教室の前にはたくさんの掲示物が貼られています。外国人の児童もカタカナの練習を頑張っていますね。

授業を見せていただいたのは３年１組。港区は英語特区に指定されており，１年生から週２時間の「国際科」として，外国語の授業を行っています。

担任の間宮多恵先生です。この学校に着任して５年目。もともと専科として教えていましたが，今年度から担任を引き受けているそうです。

授業の前の短い時間を使って，まずはウォームアップから。メトロノームに合わせて，これまでに学んだ単語の練習をします。

単純なリズムに合わせてですが，児童はノリノリ。元気よく単語を言います。

ここでNT（＝Native Teacher。ALT）のIvy先生が合流します。フィリピン出身の元気な先生。

間宮先生とは昨年度からチームを組んでいて，意思疎通はバッチリなのだとか。

あいさつをして，授業がスタート。はじめに，「ジョリー・フォニックス」というイギリスの教材を使用して，歌を歌います。

van（車のバン）を運転するジェスチャーをしながら，「v～～～，ｖ～～～（ヴ～，ヴ～）」と言って，アルファベットの文字の音を学びます。

さて，ここからが今日の授業の本題です。今日は港区オリジナルの「ﾊﾝﾊﾞｰｶﾞｰｼｮｯﾌﾟ」の単元を行います。単元に関する歌を歌ったあと，これまでの復習をします。

先生と児童が一緒に言って，単語や表現を確認します。

続いて練習の時間です。I'd like hamburger，I'd like cheese burger，I'd like bacon cheese burger…とワークシートの単語を順番に言いながら，言ったものにチェックをつけて行きます。

制限時間は２分で，目標は５周。時間を決めてゲーム感覚で行うことで，児童は真剣に取り組みます。

英語で自分の考えや気持ちを伝え合うためには，言いたいことを言うための語彙や表現が必要です。でも，ただ練習するだけだとツマラナイ・・・そこでゲーム的な要素を加えて，全員が楽しく参加できるように工夫しています。

次に，会話の練習をします。ペアを入れ替えながら，「What would you like?」「I'd like ～.」の会話を繰り返します。

言えたらワークシートにチェック。

ここからは，コミュニケーションを楽しむ時間です。ワークシートを使って，ハンバーガー，サイドメニュー，飲み物の注文を取ります。

ここでも，ワークシートを使います。

10人の友達とやりとりすることを目標に活動がスタート。

児童１：What would you like?
児童２：I'd like cheese burger, I'd like salad, I'd like milk.

何人とやり取りできたかな？

なんと１３人と会話をしたツワモノも。Fantastic!

最後は文字を書く練習です。4線に合わせて書いていきます。

まだ3年生なので，正しく書けているかどうかよりも，4線の間に書こうとしているかどうかが大切です。先生が机間巡視をして，できたらその場で丸をつけていました。

最後にあいさつをして，今日の授業はおしまい。

様々な活動を行いましたが，時間を決めてテンポよく行うことで，児童も最後まで集中を切らすことはありませんでした。全員が熱中して参加できることを大切にしているという間宮先生の言葉通り，皆が夢中で活動に取り組んでいるように見えました。

それと合わせて印象に残ったのは，活動の内容が児童にとって分かりやすく示されているということ。活動の前には必ず間宮先生とIvy先生がデモンストレーションを行って，会話の内容や手順を示していました。

ワークシートの書き方も，黒板に貼っておくと混乱がないですね。

校長の石井卓之先生によると，笄小学校では2人のNTが常駐しているそうです。地域の特色として英語が話せる児童も多く，大使館や企業の人材も活用できるため，英語を学ぶ環境は整っているとのこと。ただ，教科化にあたって，少しずつ担任が担うボリュームを増やしていきたいのだとか。

これからの授業を担う担任の先生に向けて，「教師は授業づくりのプロ。自分の発音や英語力にとらわれず，自信を持って授業をしてほしい」と語ってくださいました。

今回のレポートはこれでおしまい。
次回もお楽しみに！

（取材日：2018年11月13日）