てくてく えいごりら ~全国の授業見学レポート~

えいごりらが全国の学校を訪問し、
授業の様子や取り組みをレポートします!

第64回 第65回  

第65回 2025年10月29日 
岡山県岡山市立山南学園


みなさん、こんにちは。えいごりらです。
今日は三度目の岡山県岡山市にやってきました!
あれ、これまでいつも挨拶してきた岡山駅前の桃太郎さんが、いなくなってる……。


以前の(岡山駅前の)桃太郎さん

どこに行っちゃったのかな? 心配になったので、最近ハマっている生成AIさんに調べてもらったら、こんな答えが!
↓↓↓

路面電車の乗り入れ工事をしているんだね。
桃太郎さんに会えなかったのは残念だけど、また引っ越しされたら岡山駅に来て挨拶したいと思います!


さて、岡山駅から東に車で約40分。今日の目的地、岡山県岡山市立山南学園に到着しました!

今回は、山南学園さんが義務教育学校ということで、中学校専門のえいごりこが興味津々だったので、一緒にお邪魔したよ!

山南学園は、2022年4月に開校した岡山県初の義務教育学校です。
5つの小中学校(山南中学校、太伯小学校、幸島小学校、朝日小学校、大宮小学校)が統合されて、義務教育学校として生まれ変わったんだそう。
校舎は旧山南中学校の校舎の一部を利用して増改築されて、一体型の校舎になっています。
しかし立派な校舎! 緑あふれるエリアにある近代的な校舎が、とても目立っているね。

わぁ〜ウェルカムボードだ! ありがとうございます!

職員室の前に到着。
出迎えてくれたのは、山南学園のオリジナルキャラクター『さんちゃん』。

まさかほかのキャラクターに会えるとは! 感激~!
どうやら、大人気のさんちゃんは先日握手会も開催しておおにぎわいだったみたい。


握手会の様子

さんちゃん、ぼくたちと一緒で忙しいね。

教室に向かうまでの廊下に、英語科通信「Power up!!! By Ms. Kubota & Ms. ケトレゴ」を発見!
校内アンケートについて、今日お会いする英語専科の久保田麻紀(くぼた あさき)先生とALTのKatlego Ntande (ケトレゴ タンデ)先生が答える内容です。

「もっと英語がうまくなりたいです。というか、ぼくなります!」
「英語がだんだん楽しくなってきました。」
「どうすれば、英語はうまくなりますか?」といううれしいメッセージの数々……(拍手)早速、お答えしましょう!

まず、みなさんに聞きたいことがあります。それは、どうしてあなたは、日本語が話せるんですか?
……まさか小学1年生になってから日本語が話せるようになったわけではないですよね。
そう! それは、あなたが日本語にふれる世界にいるから! そして、実際に毎日、日本語を使っているからです……。え? それだけ? と思いましたか。そう、実はそれだけなのです。
つまり、あなたも毎日、覚えようとしなくても日本語と同じように毎日英語を見る・聞く・読む・話す・書くなど英語にふれる世界にいることで、自然と身につきます。でも、ポイントは毎日!

みんなのアンケートの回答と先生のコメント、素敵~!
英語を楽しくうまくなるポイントは、毎日英語にふれる世界にいること!」だね。

そして、こんな内容も。

今すぐできる! English time

○ケトレゴ先生と毎日、話をしてみる。(あいさつ・調子を聞く・すきなものを話す。)

○図書館で英語の絵本を読んでみる。借りてみる。

○友達と英語であいさつをしてみる。

○各教室や英語教室にある英語ポスターを見に行ってみる。(他の学年のカードを見ると、前の学年で習った予習・ふく習になります。)

○職員室前に貼ってある先生の紹介を見てみる。

○毎日、少しだけ英語の教科書や本を開いて見る。

まずは、ここからがスタート!

これを読んで、きっとやる人(とりあえずチャレンジする人)・やらない人(読んだだけの人)がいるでしょう。
それが積み重なっていくと、1年後のやった人とやらなかった人はどうなっているでしょう。
(目を閉じて想像してみてください。)さあ、チャンスのバトンは渡しました。
まずは、できそうなことを5分だけから始めてみてくださいね。

久保田先生、ケトレゴ先生の英語にかける思いが伝わってきたよ。

廊下には楽しそうな英語のポスターがいっぱい。
1・2年生も外国語の活動をやっているんだね〜。お菓子はぼくも大好きなものばかり!

こんな掲示物を毎日見ていたら、自然と英語が大好きになりそうだね。


さて、今日は6年A組の授業だよ。
6年A組は20人で、明るく元気いっぱい、でも落ち着きもあるクラスなんだって。

6年生のテーマ「磨く」を合言葉に、みんなで目標を決めていて、勉強や生活で自分でコツコツ努力して、どんどん可能性を伸ばすこと!
そして、仲間と協力してチームとしてさらにレベルアップして、次の7年生(中学1年) へ向けて成長することを目指しているんだそう。

1学期の最初は、英語がちょっと苦手だったり、自信が持てなかったりする人もいたけど、クラスで一緒に活動を進めるうちに、新しい国の文化を知るおもしろさや、英語で話したら伝わったうれしさを少しずつ感じ始めているんだって!


今日の6年A組の授業を担当されるのは、英語専科の久保田先生です。
久保田先生は、今年度5月に育児休暇から復帰したばかりで、1・2年生の図工と、3~6年生の外国語活動・外国語科を担当されている、すごいバイタリティの持ち主です!
「育休から復帰してすぐにえいごりらくんとえいごりこさんが来校してくれて、山南学園の良さを発信できることがうれしいです」と言ってくれたよ。
こちらこそ、そう言ってもらえてうれしいです!
先生のモットーは「幸せは、自分の心が決める」「可能性は無限大」。趣味は読書と旅行、運動を楽しむこと、だそうです。


そして、久保田先生とタッグを組むのは、ALTのケトレゴ先生。

ケトレゴ先生は南アフリカ共和国出身で、来日されてから2年と数か月になるんだそう。なんと、南アフリカの大学で法学士号を取得されたそうです。

南アフリカでも人気だった『ドラゴンボールZ』をきっかけに日本に魅了されて、日本で新しいことを探求したいと思ったんだそうです。
日本で訪れた場所の中では、横浜が特にお気に入りなんだって!

特技は忍耐力があること、聞き上手なこと、そして“分析的に考えること”で、モットーは「Life is what you make of it.」。
意味は、“人生に与えた分だけ、人生から得られる”ということだと解説してもらったよ。とっても素敵な座右の銘です!

学校では、休み時間や清掃時間にも、子どもたちとできるだけ英語で短い会話をするように心がけているとのこと。
外国語教育や国際理解教育に必要なプロジェクトや活動にも積極的に協力されているそうです。

授業では、子どもたちが英語に興味を持てるように、魅力的な掲示物を作成し、ICTツールを活用して、生徒に授業や活動への参加を促しているとのこと。
夏休みには、中学3年生を対象に英語の読書課題を設けるなど、言語に慣れ、理解を深めるための取り組みも行っているんだって。


さあ、授業が始まりました!
『NEW HORIZON Elementary6』のUnit3「My Weekend」の第6時の授業です。

久保田先生が、Today’s goal「夏休みわくわくプランを作るために、今までの経験を伝え合おう。」とクラスのみんなに共有しているよ。

そして教科書&指導者用デジタルブックで授業開き。
クラスのみんな、真剣に聞き入ってる〜!

それから、あれ!? 久保田先生とケトレゴ先生、何してるんだろう……。

あ! Summerなhatが出てきたよ〜。

お二人ともお似合いです。

そして、久保田先生とケトレゴ先生のペアは、Small Talkでこれまで学んだ、今日使う表現を振り返ります。

今日の授業の目標は、教科書の語句や表現を使って、これまでの経験やその時の気持ちを紹介し合うこと。

まずは、発表のルールと持ち時間を久保田先生がクラスのみんなに確認したよ。

「よかったところを伝える。」「のびしろポイントを伝える。」
クラスみんなで助け合ってレベルアップできる、素敵なルールだね。

そして、3つのグループ(①「やったことがあること」発表グループ・②「食べたことのあるもの」発表グループ・③「行ったことがある場所」発表グループ)に分かれて、それぞれのグループで発表し合ったよ。

端末を使った発表で、最初はみんな少し緊張している感じだったけど……。

グループの仲間たちの協力で、だんだん慣れてきた感じ。

みんな上手に発表できてるねー!


それから一生懸命、久保田先生が作ったワークシートに書き込んでいるね。

どんなワークシートか気になったので、ちょっと見せてもらったよ。
↓↓↓

「MEMO」と「good point」が書ける2段組のワークシートでした。
たくさんの単語のメモや、友達のいいところ探しを頑張って書いているね。

おっと、ワークシートに集中しているうちに、それぞれのグループでは、次々に発表が始まっていたよ。
みんな元気よく、ジェスチャーを交えて、わかりやすく伝えられるように頑張って工夫した発表をしているね。

こっちでも、あっちでも! みんな笑顔~!

身につけた表現を何とか使って発表していて、とっても頑張っているね。みんな上手!

どんな表現を使えばいいか忘れたり、わからなくて困っている人がいたら、優しく助け合っている姿もいい感じでした。

今日の授業で使えるようになった表現や、できるようになったこと、感じたことを「振り返りカード」に記入して、今日の授業はおしまい!

みんなとても集中しているから、あっという間に終わった感じだったよ!

とっても素敵な授業でした。

クラスのみんなが、学んだ英語の表現をただ覚えるだけでなくて、「どうすれば友達に伝わるか」を考えながらいきいきと発表する姿が印象的だったなぁ。
ケトレゴ先生とも積極的にコミュニケーションを取っていて、英語を話すことへの楽しさがとっても伝わってきました!


授業の後、久保田先生に、英語教育のビジョンや現場での具体的な取り組みについて、ぼく、えいごりらと、義務教育学校の小中連携に興味津々のえいごりこの二人でインタビューさせてもらったよ。

えいごりこ久保田先生、今日は貴重なお時間をいただいてありがとうございます。義務教育学校として、英語の授業時間や、小中連携を意識した取り組みについて教えてください。

久保田先生英語の授業は、3・4年生は週1時間、5・6年生は週2時間実施しています。その他にも、1・2年生でも年間20時間程度、学活などで英語に触れる機会を意図的に設けています。
授業外では、台湾の中学校や姉妹校の留学生との国際交流をはじめ、学校行事などさまざまな場面で、英語を実践的に使う機会を豊富に設定しています。これにより、身につけた英語の力を試す機会を提供しています。
校内の掲示物として、既習の単語やフレーズを振り返る「学習の足跡」、児童が作成したプレゼンテーションカード、専科教員とALTによる英語通信などを掲示しています。これは、児童が日常的に英語を見聞きし、親しむ機会を意図的に作り出すためです。
また、義務教育学校としての強みとして異学年交流を積極的に取り入れています。この交流を通じて、上の学年は「示す」、下の学年は「憧れる」、そして「共に伸びる」という学びの深まりを期待しています。全学年の指導計画を共有し、関連単元を把握しながら連携を進めているんですよ。

えいごりら「示す」「憧れる」「共に伸びる」、教師にとっても魅力的で深いテーマですね! 先生は今年5月に育児休暇から復帰されたばかりとのことですが、久保田先生が英語教育にかける一番の思いは何ですか?

久保田先生私は、英語の授業を通して「子どもたちが外国語表現や世界の文化に触れ、世界や外国の人とつながる楽しさ・できる喜び・英語のよさを実感し、未来を切り開くために必要な生きる力を身につけてほしい」と強く願っています。
私自身、異文化に触れる経験を通じて、自分の「当たり前」がいかに小さな世界でつくられたものかに気づきました。日本の良さを再認識したり、常識を覆す新しい発見に感動したことは生涯の財産です。
私が小学生の時は外国語活動や外国語科がなかったので、幼い頃から英語や他国の文化を学べる環境がある今の子どもたちがとても羨ましいです。
小学校英語教育は、子どもたちが新たな世界を知るための「かけはし」だと考えています。

えいごりこ「かけはし」という言葉に、久保田先生の情熱を感じます。子どもたちが「生きる力」としての英語を身につけるために、授業ではどのような工夫をしていますか? 特に、ICT活用についても詳しく教えてください。

久保田先生まず、定着を図るために、授業の最初と最後の挨拶はパターン化したフレーズを使うようにしています。また、既習事項を思い出すためのGreetingには、天気や曜日、日付、今日の調子なども取り入れています。
Small Talkでは、学習内容に加え、専科やHLT、ALTなど身近な人のことや最近の気になる話題なども取り上げ、さまざまな英単語に触れる機会を積極的に作っています。その結果、中には新しい単語を知る喜びを感じて自らメモを取る人や、知った英単語を友達との会話に活用し即座に実践する人の姿も見られました。
ほかにも、日頃から子どもたちが英語を使う機会が増えるように、ALTが給食の時間をともにすることや、授業の中で図書館にある英語コーナーの紹介なども行っています。今年度の5年生は、国際交流を行った児童とのお手紙交換にもチャレンジしました。
ICT活用については、岡山市が導入しているChromebookを一人一台で活用しています。特に発表の際には、授業支援ツールや発表用のスライド製作アプリ、あるいはChromebookのカメラ機能や動画機能を使って、自身の姿が見る人・聞く人にどう映っているかを確認できるように役立てています。

えいごりら自分の発表を客観的にチェックできるのは、実践的なコミュニケーション能力の育成に非常に効果がありそうですね。先生が英語教育で最もやりがいを感じる瞬間や、子どもたちの成長で印象的だったエピソードはありますか?

久保田先生最もやりがいを感じるのは、英語を通じて、子どもたちの価値観・世界観を大きく広げられることです。外国語科は単なる教科ではなく、子どもたちが新たな世界を知るための「かけはし」ですから。子どもたちが外国の文化について目を輝かせる姿や、多様性を認め、異なる文化や人々を尊重する気持ちを育む様子を見られるのが大きな魅力です。
特に印象に残っているのは、子どもたちが、知識としての英語ではなく、人と心を通わせるための「生きた英語」を実感した瞬間です。以前、来校した留学生と私が話しているのを見て、子どもたちが目を輝かせ、「先生、本当に外国の人と話してる! かっこいい!」と言ってくれました。それがきっかけで、次々に勇気を出して話しかけに行く子どもたちの姿には胸を打たれました。緊張しながらも、自分の知っているフレーズを使い、「伝わった!」と満面の笑みで喜んでいたことは忘れられません。

えいごりこそれは教師冥利に尽きる瞬間ですね! 一方で、小学校での英語教育には課題もあるかと思います。現在、久保田先生が課題と感じている点を教えてください。

久保田先生大きな課題は二つあります。一つ目は、英語を身につけている子どもと、既に苦手意識が強くある子どもが二極化していることです。小学校段階では、完璧を求めすぎず、まずは英語に親しみを持つことを大切にしたいと考えています。その身近な一人のロールモデルとして、教える教師側も英語を楽しんでほしいです。
二つ目は、「できるようになること」と「楽しいこと」の両者のバランスの調整です。子どもたちはゲームやアクティビティを好みますが、「楽しい」ばかりでは、将来求められる約600語の語彙の定着に繋がりにくいという現実的な問題があります。

えいごりらまさに多くの先生方が直面している課題ですね。この課題を乗り越え、より良い英語教育を推進するために、全国の先生方と共有したい・連携したいと考えていることなどはありますか?

久保田先生地域や学校の枠を超えた交流活動を増やしたいです。例えば、オンラインで他校と合同授業を行うことです。初めてつながる相手だと、会話の新鮮さや相手への興味・関心が増し、子どもたちの意欲が格段に高まります。こうした交流は、英語を「遠い国の言葉」ではなく、「身近な仲間とつながる一つのツール」として実感できる貴重な体験になるはずです。

えいごりこオンライン合同授業で「身近なツール」としての英語を実感できるんですね! 久保田先生、大変貴重なお話をありがとうございました。

久保田先生ありがとうございました。

久保田先生の「子どもたちの生きる力を育みたい」という熱い思いと、義務教育学校ならではの異学年連携の視点やICTを駆使して子どもたちのアウトプットをサポートする具体的な工夫が伝わってきました。


続いて、昨年度まで英語専科を務めていらした森山先生に、これまでの取り組みについてお話を聞きました。全国の先生方へのメッセージもいただいたよ!

●これまでの取り組みで大切にしてきたこと

1. 子どもたちの「伝えたい」気持ちを大切にする

私たちは、子どもたちが心から「これを言いたいから、この英語を使ってみよう」と思えるような授業を心がけています。先生に言われてやるのではなく、子どもたち自身が主体的に「どう言えば伝わるかな?」と考えることで、英語を学ぶ目的意識が芽生え、英語力もぐんぐん伸びていきます。

2. 失敗を恐れずに挑戦できる場をたくさん作る

英語は、実際に使ってみることで身につくものです。授業では、とにかくたくさん英語を話す機会を設けています。最初はたどたどしい英語でも、何度も挑戦するうちに、子どもたちは自然と必要な単語や表現を覚えていきます。ペアやグループでの活動を増やし、常に英語を使える環境を整えることで、子どもたちの「やってみたい」という気持ちを後押ししています。

3. 自分の成長を「見える化」する

「振り返りシート」のようなポートフォリオを活用し、子どもたちが自分の成長を実感できるようにしています。目標や評価基準を明確にすることで、子どもたちは今、何を頑張ればいいのかを理解し、主体的に学習に取り組むことができます。また、あえて手書きで振り返りをすることで、自分の成長をじっくり見つめ直す時間も大切にしています。

●義務教育学校ならではの強み

異学年交流で生まれる学び

山南学園のような義務教育学校では、小学校の子どもたちと中学生が一緒に学ぶことができます。小学生は、中学生が流暢に話す英語に触れることで、「自分もあんなふうに話せるようになりたい!」という憧れを抱きます。一方、中学生は、小学生に教える中で、自分の英語力を見つめ直し、より伝わる表現を考える力が養われます。こうした交流は、子どもたちの学習意欲を高める上で大きな効果を発揮しています。

●これからへの期待と全国の先生方へ

小学校と中学校のつながりを深める

小学校で学んだ英語が、中学校で「既にに身についているもの」として扱われるため、子どもたちの定着度に差が出てしまうことが課題だと感じています。小学校の先生と中学校の先生が連携し、9年間を通じて子どもたちが無理なく、着実に英語力を伸ばせるような指導を続けてほしいと願っています。

全国の先生方へ

英語教育に課題は尽きないと思いますが、一人で悩みを抱え込む必要はありません。身近な先生方と積極的に意見を交換し、良い実践例があれば共有し合うことが大切です。「三人寄れば文殊の知恵」という言葉のように、みんなで協力すれば、必ず子どもたちの英語力を伸ばす方法を見つけられるはずです。

子どもたちの「英語を話したい」「伝えたい」という気持ちを大切に、一緒に英語教育を盛り上げていきましょう!


久保田先生、森山先生、熱いメッセージをありがとうございました。
「三人寄れば文殊の知恵」、お三方の“やり取り”も、とっても素敵でした。


そして、最後に太田圭一(おおた けいいち)校長先生に山南学園の英語教育や学校のことについて、お話を聞くことができました。

●子どもたちの「やってみたい」を応援する英語教育

岡山市唯一の義務教育学校として、「子どもたちの『やってみたい』を応援する英語教育」を目指して取り組んでいます。
子どもたちが9年間を通じて英語を「楽しい!」と感じ、自信を持って使えるようになることをサポートしています。

●9年間を見据えた英語教育のビジョン 「楽しい」から「使える」へ

本校では、小学校にあたる前期課程では、歌やゲームを通して英語に親しみ、「英語って楽しいな」と感じてもらうことを大切にしています。中学校にあたる後期課程では、その楽しさを土台に、文法やライティングといった力をしっかり伸ばし、将来にわたって使える英語力を育てています。

●「アウトプット」の場を大切に

子どもたちが学んだ英語を実際に使う機会をたくさん作っています。

異学年交流: 英語の授業で、上級生が下級生に英語を教えてあげるなど、年齢の違う子どもたちが互いに学び合う場を設けています。

国際交流: 積極的に海外の学校とオンライン交流を行い、時には実際に本校に来ていただくことで、リアルなコミュニケーションを体験しています。特に、台湾の学校とは姉妹校縁組を結び、美術館で英語での作品説明に挑戦するなど、子どもたちの「やってみたい」という意欲を応援しています。

●山南学園の先生方への感謝と期待

先生方は、子どもたちのために素晴らしいアイディアをたくさん出してくれます。国際交流の企画や準備には大変な労力がかかりますが、「子どもたちに経験させてあげたい」という情熱を強く感じます。
私たちは、先生方の「やりたい」気持ちを尊重し、その素晴らしいアイディアを全力でサポートすることで、子どもたちの学びを最大限に引き出したいと考えています。

●英語教育が育む未来「地域を誇りに思える心」を育む

英語教育を通じて、子どもたちに身につけてほしいのは、単なるコミュニケーション能力だけではありません。
例えば、自分の生まれ育った地域や学校について、外国の人に英語で伝えられる力を養うことで、子どもたちは地域への誇りや愛着を深めていきます。
山南学園が位置する地域が、かつて干拓で生まれた場所であることを、英語で世界に発信できるような人材を育てること。そういった子どもたちの成長が地域の活性化につながっていくと信じています。

●困難を乗り越える力

これまでもさまざまな課題に直面しましたが、本校の最大の強みは「先生方と子どもたちのやる気」です。先生方の熱意に、子どもたちは真剣に応えようとしてくれます。この相乗効果こそが、本校の英語教育を支える一番の力だと感じています。


最後に、校長先生からメッセージをもらったよ。
「英語を学ぶことは、世界とつながり、そして自分の生まれ育った場所を改めて見つめ直す素晴らしい機会です。私たちは、子どもたちの好奇心と成長への意欲を大切にしながら、これからもより良い英語教育を追求していきます!」

校長先生へのインタビューで特に心に残ったのは、校長先生の言葉からにじみ出る、先生方への深い信頼と感謝でした。
きっと「先生方の『やりたい』気持ちを尊重し、全力でサポートする」という校長先生の姿勢が、子どもたちの学びの可能性を無限に広げているんですね。

そして、この温かい関係が子どもたちの「やってみたい」という意欲を引き出して、異学年交流や国際交流といった素晴らしい教育へと繋がっているんだと思います!

山南学園は、先生方と校長先生が一体となって、子どもたちの未来を創り上げている、希望に満ちた学校でした。
先生方、みなさん、どうもありがとうございました。

それでは、今回のレポートはこれでおしまい。次回もお楽しみに!

(取材日:2025年7月10日)

第64回 第65回  

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第32回 2022年2月4日 岩手県奥州市立水沢小学校

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第31回 2021年11月15日 北海道上川郡東川町立東川小学校

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第30回 2021年10月25日 滋賀県湖南市立甲西北中学校

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第29回 2021年9月2日 兵庫県たつの市立龍野西中学校

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第28回 2021年3月17日 群馬県前橋市立細井小学校

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第27回 2021年1月8日 千葉県富津市立吉野小学校

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第26回 2020年12月16日 新潟県新潟市立上所小学校

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第25回 2020年11月13日 東京都品川区立芳水小学校

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第24回 2020年1月24日 神奈川県横浜市立荏田東第一小学校

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第23回 2019年6月21日 宮城県大崎市立古川第五小学校

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第22回 2019年5月31日 秋田県大館市教育委員会
大館市立上川沿小学校

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第21回 2019年5月24日 山形県川西町立小松小学校

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第20回 2019年5月17日 福島県白河市立みさか小学校

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第19回 2019年5月10日 大阪府高槻市立大冠小学校

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第18回 2019年4月26日 宮城県利府町立青山小学校

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第17回 2019年4月19日 静岡大学教育学部附属浜松小学校

第17回 2019年4月19日
静岡大学教育学部附属浜松小学校

第16回 2019年4月12日 広島県海田町立海田小学校

第16回 2019年4月12日
広島県海田町立海田小学校

第15回 2019年3月29日 宮城県七ヶ浜町立亦楽小学校

第15回 2019年3月29日
宮城県七ヶ浜町立亦楽小学校

第14回 2019年3月22日 山形県庄内町立余目第四小学校

第14回 2019年3月22日
山形県庄内町立余目第四小学校

第13回 2019年3月15日 岡山県岡山市立石井小学校

第13回 2019年3月15日
岡山県岡山市立石井小学校

第12回 2019年3月1日 鹿児島県薩摩川内市立平佐西小学校:後編

第12回 2019年3月1日
鹿児島県薩摩川内市立平佐西小学校:後編

第11回 2019年2月22日 鹿児島県薩摩川内市立平佐西小学校:前編

第11回 2019年2月22日
鹿児島県薩摩川内市立平佐西小学校:前編

第10回 2019年2月15日 茨城県守谷市立守谷小学校

第10回 2019年2月15日
茨城県守谷市立守谷小学校

第9回 2019年2月8日 三重県松阪市立香肌小学校

第9回 2019年2月8日
三重県松阪市立香肌小学校

第8回 2019年2月1日 青森県つがる市立向陽小学校

第8回 2019年2月1日
青森県つがる市立向陽小学校

第7回 2019年1月25日 北海道旭川市立富沢小学校

第7回 2019年1月25日
北海道旭川市立富沢小学校

第6回 2019年1月17日 高知県高知市立春野東小学校

第6回 2019年1月17日
高知県高知市立春野東小学校

第5回 2019年1月11日 島根県松江市立義務教育学校八束学園

第5回 2019年1月11日
島根県松江市立義務教育学校八束学園

第4回 2018年12月28日 千葉県我孫子市湖北地区公民館

第4回 2018年12月28日
千葉県我孫子市湖北地区公民館

第3回 2018年12月21日 千葉県富津市立大貫小学校

第3回 2018年12月21日
千葉県富津市立大貫小学校

第2回 2018年12月13日 東京都港区立笄小学校

第2回 2018年12月13日
東京都港区立笄小学校

第1回 2018年12月12日 東京都文京区立誠之小学校

第1回 2018年12月12日
東京都文京区立誠之小学校

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